常識を覆す次世代の標準チャック!「BRシリーズ」

北川鉄工所が提供する次世代標準チャック「BRシリーズ」。ジョー成形直後の把握精度は0.01mm T.I.R.以下という、これまでの標準チャックの常識を覆す把握精度を実現。ジョーの浮き上がりも小さく、安定した加工が行えます。

2021年度日本機械学会賞(技術)をはじめ、数々の賞を受賞した「BRシリーズ」。今回はその特徴をレビューします。

特徴

0.01mmT.I.R.以下の把握精度

「BRシリーズ」の把握精度は、従来のスタンダードチャック「B-200」、「BB200」と比較しておよそ2倍に向上。ジョー成形直後の把握精度は0.01mm以下を実現しています。

従来の標準チャックから飛躍的に向上した把握精度により、高精度な加工が実現できるチャックとなっています。

オプションの特殊Tナットの使用でさらなる高精度を

「BRシリーズ」のオプションである特殊Tナット「Tnut-Plus(Tナット-プラス)」を使用することで、ジョーを脱着しても把握精度0.01mmT.I.R.以下を実現します。ジョーの取り付け位置の再現性が非常に高いため、ジョー成形直後の把握精度を維持することができます。

段取り替え時のジョーの再形成も不要なため、段取り時間が大幅に短縮されるというメリットも同時に得ることができます。

ここでは「Tnut-Plus」を詳しくご紹介します。

通常のTナットの側面はストレートの平面になっています。Tナットをマスタージョーの溝に入れ、上からソフトジョーを取り付けてボルトで締め付け固定します。その際、径方向に対してはギザギザのセレーションで位置が決まりますが、横方向にはガタツキが生じてしまいます。

「Tnut-Plus」は、マスタージョーに入れる際も斜めからスムーズに入ります。その後、ソフトジョーを取り付けボルトで締め付けると「Tnut-Plus」が弾性変形を起こしてジョーの溝の隙間を埋めるため、物理的に動かなくなります。そのため、何回着脱を行っても把握精度の高い状態で使用できます。

同社製標準ソフトジョーが使用可能

「BRシリーズ」は「Tnut-Plus」を使用することで非常に高いジョーの取り付け再現性を実現します。その際、高価な特殊ジョーを使用する必要はなく、同社製の標準ソフトジョー(SJ形)で利用できます(取り付け再現性を高めるためには、同社純正のソフトジョーを使用する必要があります)。これにより「BRシリーズ」はジョーの浮き上がりを最小限に抑えることができ、安定した加工品質が得られます。

なお、標準Tナットとの組み合わせ時は、他社製ソフトジョーでも使用可能です。

従来シリーズからの交換も簡単

「BRシリーズ」は同社製チャックの「B-200」、「BB200」シリーズから容易に交換が可能です。使用している回転油圧シリンダが継続して使用できるため、最小限のコストで「BRシリーズ」を導入することができます。

PRポイント

2種類の爪タイプ

「BRシリーズ」には、3つ爪タイプと2つ爪タイプの2種類があります。

通常の加工では、丸いワークは3つ爪チャック、四角いワークなどは2つ爪チャックを選定するのが一般的です。しかし「BRシリーズ」は従来のチャックと構造が異なり、2つ爪でも0.01以下の把握精度を実現します。2つ爪は3つ爪に比べ、爪が1つ減る分どうしても把握力が弱くなります。しかし、ワークによっては2つ爪の「BRシリーズ」で角物ワークと丸物ワークの両方を加工することも可能です。

高精度大貫通穴径中空パワーチャック「BRシリーズ」。脅威の把握精度、汎用性に特化することによって抑えらえたコスト、そして新しい特殊Tナットの搭載など、まさしくこれまでの常識を覆した次世代の標準チャックシリーズです。