航空宇宙分野におけるコスト削減×最適化|金属3Dプリンター「Meltio」

I2M研究所の研究者は、主に金属3Dプリンティングにおける製造プロセス(AM:Additive Manufacturing(アディティブマニュファクチャリング))を専門とし、ボルドー大学の教員もまた設計及び製造プロセスを専門的に研究しています。

これらの専門性を掛け合わせ、航空宇宙分野における堅実な製造プロセスの確立と革新的なアプローチの推進を目的とした研究プロジェクトが進められています。同研究所では特に、金属3Dプリンティングの技術の幅広い応用に取り組み、多様な製造シチュエーションにおける効率と信頼性の向上を目指しています。

そして研究目的の達成に向け、Meltio社が提供する3D金属プリンター「Meltio M600」を採用しています。

●金属3Dプリンター「Meltio M600」

プロジェクトの目的

本プロジェクトは、航空宇宙分野における部品の設計・製造を通じて以下の目的を設定しています。

  • 材料の使用量を大幅削減
  • 軽量化と堅牢性の両立
  • トポロジー最適化アルゴリズムによる余剰材料の除去

これらの目的を達成するために、Meltio社の「Meltio M600」が選定されました。

「Meltio M600」による効果

製造の効率化

「Meltio M600」の金属3Dプリンティングの造形方式は、『レーザーワイヤーDED方式』となり、出力されるレーザーには、『ブルーレーザー』を採用しています。

多くの金属の場合、近赤外レーザーよりもブルーレーザーを効果的に吸収するため、効果的に金属を溶かすことを実現します。さらに、波長が980㎜から450㎜に短くなることで、より効果的な高速造形を可能にしています。

金属粉末を使用した3Dプリンティング技術と比較し、製造効率を高めた造形が可能です。

ランニングコスト削減

「Meltio M600」は、金属ワイヤーをブルーレーザーで溶かすことで造形を行う方式であるため、材料ロスが非常に少なく、研究開発におけるコストを大幅な削減を実現します。

安全性

金属ワイヤーを使用する造形は、非常に安全性に優れています。

金属粉末を使用した造形の場合、吸引による健康リスクのほか、粉塵爆発のリスクが伴うなど安全性においてケアが必要なリスクが多数存在します。

しかし、Meltio社が提供する金属3Dプリンターはすべて金属ワイヤーを使用。金属粉末の造形において懸念されるリスクを軽減します。

プロジェクトの成果

  • 材料使用量:35%削減
  • 生産速度:従来比10.5倍
  • 印刷素材:ステンレススチール
  • 印刷時間:5時間34分
  • 製作期間:3週間
  • システム:Meltio M600
  • 分野:研究開発・航空宇宙
このメーカーのCOLUMN一覧はこちら