高精度の極みを追求!|超精密ワイヤ放電加工機「MEX15」

西部電機が提供する超精密ワイヤ放電加工機「MEX15」。

サブミクロンの領域を切り開く超精密加工に対応し、最高峰の微細加工を実現した本製品。油仕様と水仕様の2タイプを取り揃えることで幅広い選択肢を提供し、ユーザーニーズに合わせた導入が可能です。

製造現場における微細加工のニーズに力強く応える、同社史上最高性能の超精密ワイヤ放電加工機「MEX15」の魅力を今回レビューします。

「MEX15」の特徴

ラインナップ

「MEX15」は、油仕様と水仕様の両方をタイプを取り揃えています。いずれの仕様でも、機械本体のサイズに違いはありません。

【標準仕様】

工作物最大寸法(W×D×H)180×165×60㎜
※工作物最大質量を超えないこと
工作物最大質量12㎏ ※治具等質量含む
確実移動量(X×Y×Z)150×150×120㎜
U-V軸移動量±20×±20㎜
最大テーパ角度±10°/板厚60㎜ 円錐加工
外形寸法(W×D×H)1,830×1,770×1,855㎜
質量3,250㎏

静的精度

「MEX15」は、静的精度と動的精度の両面から超高精度を実現しています。

静的精度においては、バーチャル・クロステーブルによるシームレス構造により、サブミクロンレベルを実現。静的精度を検証する測定では、真円度0.4μm以内、真直度0.1μm以内という検証結果を記録しています。

■真円度
■真直度

動的精度

動的精度においては、ピッチ加工精度・形状精度(テーパ加工)・真円度の3つの項目で精度検証を実施しています。

ピッチ加工精度の検証では、8㎜厚のWC(タングステンカーバイド)に対し、ワイヤ径Φ1.0、角3.2㎜の形状を16か所・8回にわたって加工。加工後にワーク上面から4㎜下側を測定した結果、±0.5μm以内の精度を達成しています。

形状精度(テーパー加工)では、8㎜厚のWC(タングステンカーバイド)に対し、ワイヤ径Φ1.0で角3.2×9.2㎜の形状を2か所、角3.2㎜の形状を8か所(それぞれテーパー角8分)加工。加工後にワーク上面から1mm下側を測定した結果、0.5μm以内の精度を達成しています。

真円度は、8㎜厚のWC(タングステンカーバイド)、ワイヤ径Φ0.7でΦ10の穴加工を8か所加工して測定。安定したテーブル送りにより、0.4μmnの真円度を達成しています。

「MEX15」のPRポイント

Smart NC

「MEX15」をはじめとする西部電機のワイヤ放電加工機には、「Smart NC」というCNC装置が搭載されています。

21.5インチの大画面マルチタッチパネルを備えた「Smart NC」は、見やすいグラフィックとスマートフォン感覚の操作インターフェイスで構成。誰でも「わかりやすい」「使いやすい」を体感できる仕様となっています。

機能面は作図や加工条件の設定、編集機能はもちろんのこと、加工の進捗をリアルタイムで確認する機能を標準で搭載。さらにオプションの「CAM-Station」では2D CAD/CAMと3D CAMの機能を搭載させることができ、データの作成から加工までのフローが一気通貫で行えます。

自動ワイヤー結線装置

同社のワイヤ放電加工機は「ノンストップオペレーション」を実現するため、1981年より一貫してアニールドライ方式を採用しています。近年はローラを固定させず定位置でアニールする機能を開発しており、ワイヤー供給の確率を高めることで稼働率の向上と自動化を実現する機能に仕上げています。

アニールドライ方式

さらにコア・ステッチ加工の必須機能となる断線点供給の機能や、ワイヤ先端に振動を加えて微細動させることで狭ピッチ小径ホールや加工スリットへの挿入を可能にする「フリクションセンサ」などの機能を搭載しています。

オプション

「MEX15」は、数多くのオプションを取り揃えることで様々な加工ニーズに対応しています。

ただし、一部のオプションについては、油仕様または水仕様のいずれか一方でのみ使用可能なものがあります。詳細は下記の表をご参照ください。

◎標準 ○オプション(後付け可能) ●オプション(後付け不可) ×対応不可

オプション名油仕様水仕様詳細説明
X-Yリニアスケール
U-Vリニアスケール
絶縁テーブル仕様
巻取り部吸引装置細線(φ0.03~φ0.1)使用時にワイヤ供給を補助
ジェット供給装置ジェットでワイヤ供給を補助
高さ調整ジグプレート加工時の上面出し用ジグ
自動垂直出しジグワイヤの垂直を自動で測定
パレットSSP-160AJLX 上面平行度の調整
加工液冷却装置インバータ方式の加工液冷却装置
純水器×イオン交換樹脂筒10L×2本を付属
防錆ユニット×鉄系材料の錆を防止
フィルタ昇降装置フィルタ交換作業の補助装置
塗装色指定
エクステリアシグナルライト前面扉内に組み込まれたLEDで機械の動作状況が確認
機内照明灯LED照明
SSVCCDカメラによる画像測定装置
SSV取付可能型SSV本体は付属せず取付可能
SFユニット仕上げ加工用電源ユニット
安全装置×自動消火装置、液温検出装置
EL コーティング×
電源遮断ユニットNCプログラム指令で電源を自動遮断
外部警報出力ユニット外部信号の入出力ユニット
シグナルタワー状態表示灯(2灯式・3灯式)
コア・ステッチ機能×
コア・ステッチ変換ソフト×PC用プログラム変換ソフト
サーマル24機械内部や機械周辺の温度を監視
勾配補正ソフトX軸、Y軸のピッチ誤差を補正
真直度補正ソフトX軸、Y軸の真直度を補正
ウイルス対策ソフトTrellix Embedded Control
CAM-Station内蔵CAMソフト(2Dデータ:CAD/CAM 3Dデータ:CAM)
SmartCADPC用CAD/CAMソフト(2Dデータのみ)
オプション工具セット
本体吊り棒(2本)

コア・ステッチ機能

同社製ワイヤ放電加工機の大きな特徴である「コア・ステッチ」機能は、ワイヤ電極線の真鍮を溶着させながら加工を行い、中子を保持する機能です。切り落とし加工の必要がなく簡単に中子を処理することができ、切り落とす際には軽く叩くだけと非常に簡単です。

ワイヤ放電加工機の連続無人運転を効率化させる画期的な機能であり、自動化率が格段に向上します。

サブミクロン単位の加工を可能にする加工超精密ワイヤ放電加工「MEX15」。

油仕様・水仕様の両方に対応するタイプを提供し、さまざまな超精密加工の現場で活用できる本機は、その超高精度かつ多機能な性能により、精密微細加工の新たな可能性を切り拓きます。

「より高精度に」「より効率的に」―――。そんな現場の声に応えるハイスペックなワイヤ放電加工機をお探しの際は、ぜひチェックしてみてください。