機械設計を刷新!微細加工に特化したフラッグシップモデル「UX450L」

ソディックが2023年春に発売開始した新製品「UX450L」。従来機種「UH430L」の後継機として開発された本機は、ヘッドの軽量化をはじめ、機械構造や各軸案内機構、リニアモータなどすべてを新設計し、これまで以上の高速・高精度加工を実現した、同社のマシニングセンタにおけるフラッグシップモデルです。

高硬度材料の直彫り加工や光学レンズの鏡面仕上げ加工など、幅広い用途に対応する高性能マシニングセンタとして期待が高まる「UX450L」。今回はその特徴をレビューします。

特徴

高速・高精度加工を実現する軽量ヘッドと高剛性構造

X軸を含めたヘッド質量を従来機より10%軽量化。また、高剛性門型構造の採用によって機械の振動を抑制しています。各軸リニアスケール配置の最適化による応答特性向上とあわせ、これまで以上の高速・高精度加工を実現します。

工具交換時間を短縮するATC機構

ATC機構を改良することで、工具交換時間を従来機より50%短縮。生産効率の向上が図れます。

熱変位を補正する主軸冷却・振れ補正機能

主軸本体を覆う構造体に冷却液を流し、機械の姿勢変形を抑制します。また、主軸の温度情報および回転速度情報のセンシングによって熱変位を推定し、高精度に補正します。さらに、「主軸オリエンテーション機能」によってホルダの振れ精度のバラツキを抑え、より高精度な加工を実現しています。

マシニングレコーダ機能

加工中の様子を自動車のドライブレコーダのように動画や画像で記録することができます。撮影の様子はNC装置の画面上でも確認でき、不具合やエラーが発生した際の原因を調査するための情報として活用できます。

PRポイント

リニア駆動による高速・高精度な加工

「UX450L」をはじめ、ソディック製工作機械の大きな特徴は、各軸にリニアモータを搭載していることです。リニアモータを搭載することにより、様々なメリットが図れます。

高精度
リニアモータは摩擦が発生しにくい構造となっているため、摩耗による精度の劣化がほとんど生じません。また、回転型モータとボールねじの組み合わせと比べて軸間変位が小さいため、高精度な加工が可能です。

高速化
リニアモータは、回転型モータとボールねじの組み合わせと比べて応答速度が速いため、高速加工が可能です。摩擦の影響を受けにくいため、長時間の高速加工でも精度を維持しやすいというメリットがあります。

「UX450L」は主に微細加工をターゲットとした機種のため剛性はそこまで高くないかと思われがちですが、リニア駆動は各軸の応答性が非常に高いため、その加速に耐えられる剛性が必要となります。

そのため、「UX450L」は小さな見た目にもかかわらず、ベースには厚めの鋳物を用いているため、重量は7,000kgあります。

加工条件設定支援機能「SEPTune」

自社開発のNC装置「LX4N」に搭載されている高速高精度輪郭制御機能「SEPT」には、速度・面質・精度のバランスを細かく調整できる「SEPTune(セプチューン)」という加工条件の設定支援機能が搭載されています。タッチディスプレイのガイダンスに沿って選択を行うことで、CAMで出力した加工プログラムに最適なチューニングを行うことができます。

高速・高精度へのあくなき追求により誕生した新型マシニングセンタ「UX450L」。リニアモータ駆動の優位性を最大限に発揮する渾身の1台を、ぜひソディック本社ショールームでご覧ください。