シリーズ伝統の高い機械剛性を継承!重切削といえばこの1台「VM/RⅡシリーズ」
ニデックオーケーケーが提供する「VM/RⅡシリーズ」。シリーズ伝統の高い機械剛性を継承しつつ、さらに使いやすさを向上させた立形マシニングセンタです。ラインナップは「VM43RⅡ」「VM53RⅡ」「VM76RⅡ」の3種類となっています。
同社のベストセラー機、「VM/Rシリーズ」のリニューアルモデルとなる本シリーズ。コラム形状の改良による機械剛性アップ、そしてワークへの接近性とメンテナンス性を高めることで、これまで以上の使いやすさを実現しています。高い剛性がもたらす切削性と精度により、一般加工部品からチタン等の難削材部品の加工まで幅広い加工を実現する「VM/RⅡシリーズ」の概要をレビューします。
Contents
特徴
100年続くフレームデザイン
前身の「VMシリーズ」から継承されているワイドな角スライド摺動面、そしてがっしりと作り込まれた鋳物が力強く剛性のあるフレームを形成しています。
同社が「ベッド型フライス盤」と呼ぶ、主軸が首の根本から上下する機構は非常に重切削に向いており、スラスト方向(軸方向)の荷重はもちろん、エンドミルで側面加工する際のラジアル方向(径方向)の荷重もしっかりと受け止めてくれます。
さらに、大きな特徴となっている「X軸方向に延長された角スライド」によって加工時にもテーブルがオーバーハングしない仕組みとなっています。このことが切子の侵入を抑え、機械の劣化を防止します。
フライス盤メーカーとして100年以上の歴史を持つ同社ですが、本機種の基本的なフレームデザインは初期の汎用フライス盤からずっと引き継がれています。まさに100年続くフレームデザインです。
コラム形状の改良でさらなる高剛性へ
「VM/RⅡシリーズ」では、従来まではストレート形状だったコラム基部をテーパー形状に変更。コラム基部幅が拡大したことによりさらなる剛性の向上が図られています。これにより「VM43RⅡ」は30%、「VM53RⅡ」と「VM76RⅡ」はそれぞれ50%、コラム幅が拡大しています。
また、本体の随所を高剛性箱型構造とし、ダイヤゴナルリブ(三角リブ構造)を最適配置することで剛性アップと吸振性を向上。各摺動面は頑丈な角スライドとの相乗効果によってスムーズな切削と高品位な仕上がり面を実現しています。
加工時に発生した切子はこのようにきれいな紫色になっています。
切削時において発生した熱を切子の方にしっかりと逃しているためワークに熱が残らず、加工直後のワークに手で触れてもまったく熱くありません。機械剛性が高く、振動の減衰性が優れているのでツーリング・刃物がビビることなく加工できています。まさに、重切削における理想的な状態です。
充実の熱変異対策
「VM/RⅡシリーズ」では熱変異への対策も強化されています。
「VM53RⅡ」「VM76RⅡ」の50番ギヤ駆動主軸には、側面冷却に加えて前面にも冷却油を循環させる構造を装備。さらに、機内に9箇所の温度センサーを配置し、C型コラムにおけるYZ平面の姿勢変化をソフト的に補正する「ソフトスケールCube」が搭載されています。加工中の環境温度は変化するものとして受け入れ、変化した分を補正するという同社の温度変化に対する補正の考え方に基づいた機能です。
接近性と操作性の向上
「VM/RⅡシリーズ」ではカバー前面から主軸までの距離が770mm、テーブルまでの距離が225mmと接近性が改善したことで操作性が大きく向上しています。
正面扉は天井部まで大きく開口しており、クレーンを使ってのワークの積み降ろしもスムーズに行えます。また、大型機種となる「VM76Ⅱ」では収納式ステップと機内ステップを標準装備しており、機内での作業もスムーズです。
メンテナンスも楽々
日常点検機器は背面のメンテナンスパネルに集中配置され、メンテナンス箇所のチェックが行いやすくなっています。
選べるCNC装置
CNC装置は「FANUC」「MELDAS」の2種類から選択可能です。
「MELDAS」を選択した際は、同社製の対話ソフト「WinGMC8」が搭載可能となります。
非常にシンプルなインターフェイスとなっており、質疑応答に応えるだけで穴あけや輪郭、ポケットなどの加工が行えます。マシニング初心者の方にも非常に使いやすい仕様となっています。
PRポイント
SPECIAL MODE
「VM/RⅡシリーズ」では、「SPECIAL MODE(スペシャルモード)」を有効にすることで、機械のセーフティ機能をある程度解除できるという特徴があります。
通常、工作機械は扉を閉じた状態でなければ主軸を回すことも送ることもできません。
ですが、本機種では「SPECIAL MODE」を有効にすれば、扉を開放した状態でも動かすことが可能になります。もちろん、早送り速度はMAX25%までとなるなど一定の制限はかかりますが、NCプログラムもシングルブロックだったら動かすことが可能です。
特に、オプションで付けることが多いというタッチプローブでワークの芯出しをする際、目の前でプローブの位置を確認しながら外部ハンドルを操作して細かい位置決めが可能になります。実際に、ユーザーからも「圧倒的に使いやすい」と高評価です。
オプションにより様々な自動化を実現
「VM/RⅡシリーズ」にはロボットパレット交換システム「CRASYS」をはじめ、手動パレット交換装置、工具着脱サポート装置など、優秀な自動化オプションが豊富に揃っています。
手動パレット交換装置:パレット段取り台を機外に設置し、外段取りを可能とすることで省力化・効率化が図れます。安価で後付けが可能となっており、パレット枚数、段取り台も自由にレイアウト可能で、既存の使用している機械のままで生産性向上が見込めます。
ロボットパレット交換システム「CRASYS」:ロボット導入の第一歩に最適な、パッケージ化された簡単ロボットシステムです。例えば、昼休みや終業後にオペレータが機械から離れた後の1時間、作業者に代わってロボットが生産を継続し機械の稼働効率を高めます。既存の機械にも簡単に設置でき、手軽に省力化をサポートします。
仮にロボットを稼働させて生産を継続させた場合、1日8時間通常稼働+昼休み1時間+終業後1時間で、生産効率は約25%アップします。
リモコンノズル:プログラム可能なクーラントノズルです。M信号によって簡単にノズル角度が変更可能であり、加工点へより効果的なクーラント供給を行います。クーラントにより工具寿命延長効果も期待できます。
安心のメイドインジャパン
「VM/RⅡシリーズ」はマシニングセンタのマーケットにおいて比較的リーズナブルなポジショニングの機種となっていますが、構成部品から組み立てまでを国内製造している安心のメイドインジャパン製マシニングセンタです。さらに、リーズナブルながら安心の3年保証。「頑丈で壊れにくい」機械であることの裏付けと言えるでしょう。
高剛性・操作性・メンテナンス性を高め、ユーザーの声をもとに大きくブラッシュアップされたニデックオーケーケーの「VM/RⅡシリーズ」。従来シリーズからの特徴でもある扱いやすく頑丈な機械構造により、中小規模のユーザーを中心に多くのファンを獲得しているベストセラーモデルです。気になった方は、ぜひ同社ショールームで実機をご覧になってみてください。