アナログなんて言わせない!製造現場のDX改革!

「製造業ってまだまだアナログなんちゃうの?」

汗と油にまみれてものづくりをする超アナログな町工場――。製造業ってこういうイメージがまだまだ根強く残っていますよね。

実は筆者も製造業界に入る以前は同じような誤解をしていました。 しかし現代の製造業は多岐にわたる分野で最新のデジタル技術を活用したDX化がすすんでおり、日々進化しているカッコいい業界なんです。

DXとは

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉、最近よく耳にするようになってきました。

経済産業省ではDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織・プロセス・企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しており、今後社会全体が生産性を向上させていくために必要不可欠な取り組みとして注目されています。

製造現場のDX

製造現場ではものづくりのノウハウを単に人の経験値として蓄積するのではなく、デジタル技術を導入・活用して自動化やデータ化・管理することがDXとして挙げられます。

デジタル技術の導入はものづくりの効率アップや品質向上、企業文化の改革に効果的です。

想像してみてください。
最新のデジタル技術であふれ、すべての情報がデータベースで管理され、人だけでなく協働ロボットや自動化システムと一緒に働く空間をーー。

おおげさかもしれませんがSF映画のワンシーンみたいでちょっと心躍らないですか?

製造業向けのデジタル技術は機械装置などのハードウェアからソフトウェアまで幅広くあり、各企業の課題にマッチする技術が日々研究、開発されています。

今回はその中でも世界に高く注目されている3Dプリンターをテーマに、製造業におけるDXについてもっと知っていただきたいと思います。

3Dプリンターとは

3Dプリンターとは、立体的なモデルデータ(3次元データ)を基に材料を積み上げて立体物を作る装置のことをいいます。樹脂や金属などの素材を使って造形することができ、用途によって多様な方式の3Dプリンターが存在します。

3Dプリンターはニュースや雑誌でも取り上げられることが多く、かなり認知されてきました。模型やフィギュア、最近では住居まで3Dプリンターで作ることができます。

すでに海外では、産業向け3Dプリンターが「ものづくり革新」における重要アイテムに位置づけられており、製造業のDX化においても象徴的な存在となっています。

国内では海外に比べ3Dプリンターの導入が遅れているものの、導入企業数は年々増加しています。
展示会では多くの企業が日々進化する3Dプリンターの技術を発信し、普及拡大の努力が行われています、3Dプリンターを使った製造現場の改革は様々なアプローチが存在しており、製造現場に新たなイノベーションを起こそうとしています。

近い将来、今まで当たり前に人の手で行ってきた仕事は、ほぼ3Dプリンターに置き換えることができるのではないでしょうか。

3Dプリンターを活用したDX事例

設計部門

設計部門は、製品の形や構造を設計する部門です。
設計士は紙図面やCADソフトを用いて製品の完成図を描きます。

完成図だけでは製品の出来栄えや課題点がわからないため、量産前にテスト品をつくるのが一般的です。
しかし、人や時間の都合で製造機械を動かせず、テスト品をすぐ手に取ることができない状況もあります。

これって、まさにアナログ現場ならではの課題です。

ですが、そんな現場に3Dプリンターがあればスイッチ一つで誰でも簡単にテスト品を作成することができます。一度スタートすれば基本的に放置でOKなので、場合によっては設計と同時進行でテスト品を作ることができ、作業効率が格段にアップします。

製造部門

製造部門は設計部門からバトンを受けて製品(商品)を作る部門です。
また製品だけでなく治工具(製造過程で必要な補助工具の総称)も作る場合があります。

こうした治工具の作成も3Dプリンターを使えばスイッチ一つです。正直、製品を作ること以外に時間を取られたくないですよね。

時間に追われる印象もある製造現場ですが、3Dプリンターをつかって時短することで余裕のある現場に早変わりします。

まとめ

いかがでしたか?
この記事を読む前に比べて、ちょっとだけ製造現場がデジタルな印象に変わったのではないでしょうか。

3Dプリンターは使い方ひとつで製造現場を大きく変革させます。そして3Dプリンターの技術は日々進化しており、テスト品や治工具だけでなく、最終製品や補修部品を製造する技術もどんどん増えています。

3Dプリンターをはじめとするデジタル技術の導入は現場のDX化を進めるだけでなく、デジタル人材の活躍の場を広げることにもなります。

あなたが得意な技術や知識が活かせる製造現場が実は身近にあるかもしれません。
実はデジタルでカッコいい製造業、一度働いてみませんか?