真空の力で固定する治具!佐々木工機の「Air-fix」
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マグネット治具が使えない三次元測定機や石定盤に
「Air-fix」は三次元測定機や石定盤上でもワークを任意の位置に固定できる真空吸着式の治具です。
コンプレッサーから「Air-fix」内に圧縮エアーを供給することで真空状態を作り出し定盤に吸着します。石定盤やセラミック定盤といったマグネット治具が使えない定盤でも、「Air-fix」であればワークをしっかり固定できます。
圧縮エアーでなぜ固定できる?
そもそも、なぜ「圧縮エアーを送り込む」ことが真空状態を作り出し、ワークを固定する力へと変わるのでしょうか。
その秘密は「Air-fix」の内部構造にありました。
コンプレッサーから供給された圧縮エアーは、「Air-fix」内部に設けられたエジェクタによって瞬時に流速が上がります。流速が上がったエアーはまわりの空気を吸い込み(負圧が発生)、真空状態を作り出します。
真空状態となることで生じる大気圧との差圧を利用し、物体を吸着させるという仕組みです。
三次元測定機でもベストな位置にワークを固定
「Air-fix」がもっとも活躍する場所は、三次元測定機のワーク固定です。
三次元測定機の定盤は温度変化の影響を少なくするため、ほとんどの機種で石定盤を採用しています。石定盤ではマグネット治具を使うことができないため、通常は定盤上にあるタップ穴を利用して治具を取り付けているのではないでしょうか。
ですが、タップ穴の数や穴ピッチには制限があるため、ちょうど良い位置や角度でワークを固定することができない、といったケースも少なくありません。
ここで「Air-fix」の出番です!
「Air-fix」は本体底面のスペースから空気を抜くことによって真空状態となりますが、本体両サイドにある排気穴を指でふさぐと簡単に浮かせることができます。ゲームセンターでよく見る「エアホッケー」のパックのようなイメージですね。
この状態であれば石定盤の上でもスムーズに「Air-fix」を動かすことができるので、ワークを任意の位置に固定するのも簡単です。
「Air-Fix」を実際に使ってみた
①クランピングツールを活用した固定
「Air-fix」に付属のクランピングツールを活用することで、様々な形状のワークが固定できます。
②ワークの位置決め
突き当て位置を決め、複数個の「Air-fix」をセットすることで常に同じ位置にワークを固定することができます。量産品の検査・測定を効率化できます。
まとめ
真空の力で定盤に吸着する「Air-fix」。
シンプルな仕組みでありながら、三次元測定機での計測をはじめとする日々の業務を効率化してくれるアイテムです。
しかも、特別なものを準備する必要はなく、エアーのみで利用できることも魅力です。
エアーの力でスムーズに治具を移動させることができるため、特に多品種の製品を検査・測定を行っている方におすすめです。
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