高い把握精度と軽量・低慣性の引き込みチャック!「DLRシリーズ」
北川鉄工所が提供する「DLRシリーズ」。従来製品「DLシリーズ」のリニューアルモデルとなる本シリーズは、高い把握精度と軽量・低慣性が特徴の引き込みチャックです。
「DLシリーズ」の特徴を引き継ぎ、高い精度を誇る次世代チャック「BRシリーズ」の性能を横展開した薄型デュアルロックチャック「DLRシリーズ」を今回はレビューします。
Contents
特徴
従来製品の特徴を引き継ぎつつ、性能が大幅に向上
従来製品の「DLシリーズ」と新製品「DLRシリーズ」はどちらもダブルアクションクランプ機構を採用したチャックですが、大きな違いは引き込み動作にあります。
「DLシリーズ」はジョーが平行移動し、ワークと接触するとジョーが沈み込みZ方向に引き込みます(ダブルアクションクランプ)。
一方、「DLRシリーズ」はジョーが平行移動した後、ワークと接触するとボディが沈み込みZ方向に引き込みます。ジョーがZ方向に飛び出すことがないのでワークと干渉することもありません。また、ジョーの平行移動により、ワークの位置合わせが容易になるというメリットもあります。
項目 | PUチャック | DLチャック | DLRチャック |
---|---|---|---|
引き込み方法 | ジョー斜め引き込み (Z方向移動) | ジョー平行移動 + ジョーZ方向引き込み | ジョー平行移動 + ボディZ方向引き込み |
ジョーの飛び出し | あり | なし | なし |
ワークとの干渉 | あり | なし | なし |
ワークの位置合わせ | 困難 | 容易 | 容易 |
PRポイント
ジョー平行移動+ボディ引き込みのダブルアクションクランプ(2段階把握)で、歪みレスにチャッキング
「DLRシリーズ」は引き込みチャックになるので、精密着座が可能です。Z方向の精度も非常に良いのが特徴です。
従来製品の「DLシリーズ」は、構造上低圧で使用することができず、歪みやすいワークには向いていませんでした。この欠点を解消すべく、「DLRシリーズ」はソフトジョーが平行移動し、ワークに当たるとチャックのボディ自体が沈み込むような特殊な動作を行います。
この動きによって「DLRシリーズ」ではワークの歪みを抑えながら高精度な把握を可能としました。薄物ワークなど、歪みやすいワークに最適なチャックです。
「Tナット‐プラス」が使用可能
「DLRシリーズ」は、オプションの特殊Tナット「Tnut-Plus(Tナット-プラス)」が使用できます。
ソフトジョーを脱着しても取り付け位置の再現性が非常に高く、把握精度はデフォルト時と同様に0.01mmT.I.R.以下を維持します。ソフトジョーの再成形が不要で、段取り時間を大幅に短縮することができます。
同社の次世代型標準チャック「BRチャック」の技術・性能を横展開しているため、高い把握精度と「Tnut-Plus」による高い取付再現性をともに実現した「DLRシリーズ」。現在は8インチのみのサイズ展開ですが、今後は他のサイズへも拡張が予定されています。
薄物ワークなど歪みやすいワークの加工が多い方、「DLRシリーズ」を是非一度チェックしてみてはいかがでしょうか。