世界最小クラスの工具主軸が「できない」を「できる」に変える!ATC型複合加工機「JX-200」
中村留精密工業が「材料に関係なく、安定的に精度良く良品を出せるATC型複合加工機」をコンセプトに開発した「JX-200」。2022年に販売を開始した本機種は、世界最小クラスのATC工具主軸「NT Smart Cube」によるワイドな加工エリアを実現。作業パフォーマンスを大幅に向上させた複合加工機です。
「第53回機械工業デザイン賞IDEA」の「日本工作機械工業会賞」をこのほど受賞し、性能面だけでなくデザインにもこだわり抜いた同社渾身の1台、「JX-200」を今回はレビューします。
特徴
人間工学に基づく計算されたデザイン
「JX-200」の外観はシンプルかつコンパクトながら、ユーザーの使いやすさへのこだわりが感じられるデザインです。例えば機械正面の大きく目立つ窓ですが、これは従来機種よりも加工エリア内の様子を確認しやすくするための設計です。加工中に左右のスピンドルの状況をそれぞれ確認したい場合、従来機種では斜めから覗き込む必要がありましたが、「JX-200」は真正面から左右の様子がひと目で確認できるようになっています。
機械左側のツールマガジンにも大きな窓を配置したことによって、収納されているツールの状況が作業者からもよくわかります。
世界最小クラスのATC工具主軸「NT Smart Cube」
「JX-200」の最も大きな特徴が、世界最小クラスのATC工具主軸「NT Smart Cube」です。
複合加工機の場合、工具主軸が大きいと加工中に下タレットや右主軸に干渉する可能性があります。オペレータの心情としては干渉は避けたいので下タレットや右主軸は使わないという選択になりますが、必然的に生産量は減少します。
生産量の減少は現場にとって痛手です。複合加工機はすべてのユニットが常にアクティブな状態で加工を続けるのがベストであり、左右の主軸で加工し続けられることが最も大事な要素となってきます。
新開発の「NT Smart Cube」は複合加工機が持つ本来の性能を発揮させるべく、主軸の全長を349.1mmにコンパクト化。コンマ1mmまでこだわり抜いた、世界最小クラスの工具主軸となっています。
「NT Smart Cube」はマイナス95°から95°までスイングする動作範囲を有しています。Y軸を持つ下タレットを組み合わせることで、左右の主軸を使った同時加工や上下同時加工、下タレットでのセンターサポートなど様々な加工が可能です。加工エリアを無駄なく広く使うことができ、作業パフォーマンスが格段に向上します。
PRポイント
両方のスピンドルが「メインスピンドル」
「JX-200」が誕生した背景は、「様々な種類のワークを効率よく加工したい」というユーザーからの要望でした。
これを受け「材料に関係なく、安定的に精度良く良品を出せるATC型複合加工機」を目指し開発が進められた結果、「扱いやすさ」「精度の高い加工能力」、そして「デザイン性」がとことん追求された本機種が完成。同社内での合言葉でもあった「できない」を「できる」に変えるATC型複合加工機がここに具現化されました。
「JX-200」の加工に対するこだわりは機械構造の名称からも見て取れます。
一般的な複合加工機は機械正面から見た右側の主軸を「サブスピンドル」と呼ぶことが多いのですが、「JX-200」は左右どちらもメインスピンドルに位置づけられており、「サブスピンドル」という名称が使われていません。こうしたエピソードからも、左右どちらの主軸でもあらゆる加工に対応する機械構造、そして高い剛性が裏付けられています。
ユーザーが求めるポイントが満載の、いわば複合加工機の理想形ともいえる中村留精密工業のATC型複合加工機「JX-200」。世界最小クラスの工具主軸「NT Smart Cube」が真の複合加工を実現するキーアイテムの役割を果たし、造形美と機能美を兼ね備えた本体デザインはユーザーの所有欲をかき立てます。複合加工機の魅力が詰まった本機種を、ぜひ同社でご覧になってみてください。