ボーリングヘッドによる穴加工の問題を解決!「スリムライン ミルボア」
MSTコーポレーションが開発する焼ばめホルダ「スリムライン」シリーズ。昨年の「JIMTOF2022」で発表した新製品「スリムライン ミルボア」は、従来のボーリング加工と異なり、ヘリカル切削を使用してボーリング加工を行うために作られたツールホルダです。
今回は「スリムライン」シリーズ第六弾として、超硬一体型のヘリカル加工用アーバ「スリムライン ミルボア」をレビューします。
特徴
ボーリングヘッドの穴加工で生じる問題を解決
「スリムライン ミルボア」は、焼きばめホルダ「スリムライン」と超硬アーバを組み合わせた交換式工具用ホルダです。「スリムライン ミルボア」を使用したヘリカル加工による穴あけは、従来のボーリングヘッドによる穴加工で生じる課題を解決することができます。穴の表面粗さ、真円度、円筒度も従来のボーリングヘッドによる加工以上に高精度で仕上げることができます。
調整時間を短縮
従来のボーリングヘッドでは、ツールセッタ等を用いた寸法調整や、穴径ごとにボーリングヘッドのサイズを変更する必要があるなど運用面の手間が発生します。そのため、寸法調整による段取り時間がかかってしまう、径調整を行うためのスキルも必要、といった課題がありました。
一方、「スリムライン ミルボア」は、これ1本で異なる穴径の加工が行えるので、工具マガジン(ATC)を必要以上に占有しなくて済みます。さらに、寸法調整もNC側への数値入力のみで対応でき、工具摩耗時の寸法調整もNC側の工具径補正で可能可能です。これにより、作業者ごとに異なる径調整の時間を大幅に短縮できます。
切りくずのトラブルを削減
従来のボーリングヘッドによる穴加工ではつながった切りくずが生じてしまい、その切りくずが加工面にダメージを与えたり、加工面のむしれによる加工不良が発生することもあります。これだけではなく、つながった切りくずが悪さをし、予期せぬ機械トラブルに発展することもあります。
一方、「スリムライン ミルボア」はヘリカル切削で加工していくことで切りくずを細かく排出。高品質な加工面を安定して得ることができます。切りくずによるトラブルも抑えられるため、自動化にも向いています。
PRポイント
ホルダ本数を削減
従来のボーリングヘッドは加工径ごとにホルダが必要になる一方、「スリムライン ミルボア」は、サイズの異なる穴を1本のホルダで対応できるので、管理もしやすく経済的です。ワークの形状に応じてホルダと超硬アーバを組み合わせて使用できるので、剛性を確保しつつ干渉を避けながら加工が行えます。
対応する工具の種類が豊富
従来のボーリングヘッドは対応するチップの種類が限られていますが、「スリムライン ミルボア」は工具メーカー各社が販売している材質・用途別の様々な交換式工具に対応しています。
<対応工具メーカー>MOLDINO、オーエスジー、タンガロイ、ダイジェット工業、三菱マテリアルなど
ヘリカルボーリング加工に最適な「スリムライン ミルボア」は、交換式工具の切削性能を最大限に引き出し、従来のボーリングヘッドにおけるさまざまな課題を解決することができます。ボーリング加工の効率化を目指して新開発された「スリムライン ミルボア」、ぜひ1度試してみてはいかがでしょうか。