薄型設計で刃物の寄り付き良し!マシニングや5軸加工機での丸物加工に「BRM08」
北川鉄工所が提供する「BRM08」。マシニングセンタ・5軸加工機・複合加工機での活用を目的に開発された2つ爪チャックです。ボディを薄型化し、加工中における刃物の接近性を高めたことで広い加工エリアを確保しています。
以前のコラムで紹介した「BRシリーズ」の派生製品であり、同シリーズの特徴である高い把握精度をマシニングセンタや5軸加工機での切削加工で発揮。そして見た目も特徴的な「BRM08」の概要を今回はレビューします。
特徴
「BRシリーズ」の技術を横展開
「BRM08」は同社の次世代標準チャック「BRシリーズ」の技術を横展開しているため、非常に高精度なチャックとなっています。オプションの特殊Tナット「Tnut-Plus(Tナット-プラス)」を使用することで、ソフトジョーを脱着しても把握精度0.01mmT.I.R.以下を実現します。
従来比23%ダウンの薄型設計
「BRM08」は、これまでの同社製チャックと比較すると非常に特徴的な形をしています。
マシニングセンタや5軸加工機に搭載することを想定したチャックとなっており、干渉を極力避けながら刃物の寄り付きを良くするため非常に薄型のボディです。もちろん複合加工機や旋盤で使用することも可能です。
左が従来のチャック、右が「BRM08」です(それぞれシリンダーが付いています)。並べて見るとひと目で高さの違いがわかります。
マシニングセンタや5軸加工機で「BRM08」を使用する際、チャック本体だけでは駆動源が無いので本体下部に駆動源となるシリンダーを取り付けます。注目したいのは、このシリンダーも薄型化されているという点です。
従来のチャック+シリンダーと比べた場合、「BRM08」の高さはなんと23%もダウン!
この薄さを実現することによって、高さ方向の制限がかかりにくくなるというわけです。
これまで「旋盤用のチャックをマシニングセンタで使いたい」といった相談が寄せられた際には、同社製シリンダー「YSシリーズ」と従来のチャックを組み合わせて提案していたということですが、ユーザーによっては高さ方向の条件が合わず導入に至らなかったケースもあったそうです。
こうした高さに関する課題も、「BRM08」であればまったく問題ありません。
PRポイント
マシニングや5軸加工機での丸物加工を自動化
マシニングセンタの場合、バイスで固定して四角いワークを削るのが一般的ですが、実はマシニングセンタで丸い物を削りたいというニーズも少なくありません。そのような場合はベースプレートを自作して、その上にチャックを固定して加工するといったケースが多く見られます。
ですが、このケースはスクロールチャック(手締めチャック)を使う場合に限られてしまい、油圧式やエアー式のチャックでは駆動源となるシリンダーが必要です。特に自動化を目指すユーザーの場合、シリンダーで駆動する「BRM08」がオススメです。
同社の次世代標準チャック「BRシリーズ」のニューフェイス「BRM08」。高い把握精度だけでなく、マシニングセンタや5軸加工機での使い勝手を追求した逸品です。丸物加工が多いという方、ぜひ一度「BRM08」を試してみてください。