焼ばめホルダの代名詞的存在!「スリムライン」

MSTコーポレーションが提供する焼ばめホルダ「スリムライン」。ホルダと刃物それぞれの熱膨張率の差を利用した刃物チャッキングシステムです。焼ばめに最適な300℃での「焼ばめ」「焼はずし」を実現し、安定した精度を維持することができます。チャッキング部には締め付けるための部品がなく、シンプルでコンパクトなホルダ形状は金型加工から部品加工まで幅広く使用でき、高速切削加工にも最適です。

シンプルな構造でありながらも、高把握力で高剛性を実現。今回は焼ばめホルダの代名詞的存在とも言える「スリムライン」をレビューしていきます。

特徴

本体に専用の特殊鋼を採用

他社製焼ばめホルダの多くはダイス鋼が使用されていますが、「スリムライン」には専用の特殊鋼が使用されています。

ダイス鋼は耐熱温度が580℃、焼ばめのできる温度が690℃となるため高温加熱による焼ばめになります。一方、同社の「スリムライン」は素材自体の耐熱温度が720℃、焼ばめできる温度が最大で430℃と低いため、低温加熱による焼ばめとなります。素材の耐熱温度と低温加熱による焼ばめ温度の差が約300℃あるため、繰り返しの焼ばめ、焼きはずしが可能なツールホルダとなっています。

耐久性、そして材質の変質なし

「スリムライン」の専用特殊鋼は熱膨張率が非常に大きいという特徴があります。ダイス鋼と比較すると1.6倍にもなり非常に耐熱性に優れます。また、よく伸びる材質でもあるため300℃の「低温焼きばめ」を可能とし、「高把握力」「長寿命」「小径のチャッキング」を実現します。オーバーヒーティングによるホルダ材料の変形の心配もなく、安定した性能をいつまでも発揮することができます。

一般的な焼ばめホルダは、素材の耐熱温度を超えて焼ばめ(オーバーヒーティング)を行います。オーバーヒーティングを繰り返すと素材が変質するため、最終的にホルダは使用できなくなります。一方、「スリムライン」は素材の耐熱温度以下で低温焼ばめを行うことから素材が変質するという心配がなく、初期性能のまま長期間安心して使用できるのが利点です。

PRポイント

部品のないシンプル構造

「スリムライン」は部品のないシンプルな本体構造により、先端部肉厚は1.5ミリという超スリムな形状を実現しています。

そのため、ワーク・治具との干渉がなくホルダがワークギリギリまで接近できます。工具の突き出しを最短に設定できることで工具のたわみ量を最小限に抑え、強力かつ安定した加工を実現。ビビリのない高品位な加工面が得られると同時に、工具寿命も飛躍的に向上します。

加工シーンに応じた専用ホルダも豊富にラインナップされており、どんな加工でも最適なホルダが選択可能。MSTコーポレーションの焼ばめホルダ「スリムライン」、是非一度お試しください!