三次元測定機とは?品質管理に欠かせない測定機器について解説

三次元測定機ってどんな機械?

「三次元測定機」は、複雑な立体形状を高い精度で測定することのできる機器です。

「三次元測定機」を大きく分けると「接触式」と「非接触式」の2種類に分類できます。これらをひと言で説明すると、「接触式」はプローブ(測定子)を対象物に接触させて測定する方式、「非接触式」はレーザー光を照射して対象物を測定する方式になります。

現在では非接触式も普及しつつあるのですが、「三次元測定機」と聞くと門形の「接触式」を想像する方も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは「接触式」の三次元測定機を中心に説明していきます。

三次元測定機はどんなことができる? 

「接触式」の「三次元測定機」には、正面から見ると門の形をしている「門型」や、機器を手に持って直接測定できる「ハンディ型」などがありますが、現在主流となっているのは「門型」です。

門型の「三次元測定機」はこのような形をしています。

「接触式」の「三次元測定機」には、大抵下の画像のようなコントローラーが付属しています。このコントローラーで「三次元測定機」のアームを操作することで測定を行います。

「三次元測定機」のアームの先端には下の画像のように、プローブ(測定子)が付いています。これを測定物にタッチさせ、測定したポイントとポイントの距離や角度を求めることによって測定物を正確に測定することができます。

また、NC工作機械と同様に、「三次元測定機」にもプログラムを作成することで自動で測定を行うことができる「CNC三次元測定機」があります。一度プログラムを作成してしまえばその後は自動で一連の測定動作を行ってくれるので、量産品など同一形状の測定を複数回行う場合は非常に有効です。

接触式のメリット・デメリット

ここでは、「接触式」の「三次元測定機」におけるメリット・デメリットを見ていきましょう。

接触式のメリット

測定時間を節約
「接触式」の「三次元測定機」の多くは、測定物のどの点を測定したのかを記憶させることができます。ある測定物を測定した後、同じ場所に同じ形の測定物を置くと、記憶した測定点に基づいて、自動で2つ目の測定物を測定することができます。そして同じように、3つ目、4つ目、5つ目…といった流れで複数の測定物も自動で測定できます。自動測定が可能なため、作業時間の節約につながります。

測定精度の安定
「接触式」の「三次元測定機」では、測定する際の精度が安定しています。測定時に人の手を必要としないので、測定者の習得度や感覚に左右されないからです。人の手によるミスを未然に防ぐことができるので、測定精度の安定につながります。

検査工程の工数削減
多くの「接触式」の「三次元測定機」では、寸法を測定するだけでなく、測定した寸法が公差の範囲内かどうかを検査することもできます。測定と同時に検査票の作成が可能な機種もあり、検査工程における大幅な工数削減が実現できます。

接触式のデメリット

一方で、「接触式」の「三次元測定機」には以下のようなデメリットも挙げられます。

・測定環境の整備が必要
高精度の測定が必要な場合は、温度環境を一定に保つ必要があります。温度が上昇すると測定物が熱膨張し、正確な測定ができません。そのため熱膨張による寸法の誤差を避けるためには、一定の温度に維持できる環境が必要になります。高精度の測定が必要な場合は、「恒温室」と呼ばれる温度が一定に保たれる専用の部屋を準備し、そこに「三次元測定機」を設置するケースが多く見られます。

・測定できないものがある
柔らかいものなど、形状が変化してしまう物体は「接触式」では測定することができません。その他にも接触面に傷がつく可能性のあるものなどは、「接触式」での測定には向いていません。

メリット・デメリットを含め、「接触式」の「三次元測定機」の特性をしっかりと理解した上で、自社の業務にあった最適な機器を選択しましょう。

主な三次元測定機メーカー

現在、三次元測定機を製造している主なメーカーです。

あ行

か行

株式会社キーエンス
株式会社小坂研究所

さ行

た行

株式会社東京精密

な行

株式会社中村製作所
株式会社ニコンソリューションズ

は行

ま行

マール・ジャパン株式会社
株式会社ミツトヨ

や行

ら行

わ行

A~Z

FARO
Hexagon