フルカラー3Dプリンターユーザー必見!データの拡張子を知ろう!

フルカラー3Dプリンターとは

フルカラー3Dプリンターでは、文字通り造形物をカラーで表現することができます。

一般的な3Dプリンターの場合、造形物は単色です。
しかし、フルカラー3Dプリンターの場合は、フルカラーでの造形に加えて細かな模様やグラデーションの表現も可能です。造形後に塗装する必要がないので、そのまま完成品として利用できます。

こうした特性から、フルカラー3Dプリンターの造形物はフィギュアや建築模型、医療用模型など、さまざまな分野で幅広く活用されています。

では、なぜ3Dプリンターでフルカラー造形ができるのでしょうか。
その答えは、造形する際に使用する3Dデータにありました。

今回は、3Dプリンターで扱える3Dデータの種類とその特性について見ていきましょう。

データ形式について

3Dプリンターで立体物を造形するには3Dモデルのデータが必要です。

3Dモデルには様々なファイル形式があり、パソコンでファイルを開く時と同様に「拡張子」で種類を識別します。3Dプリンターも同様に造形物の種類に応じて3Dモデルを作成し、拡張子で管理する必要があります。

ここからは3Dプリンターでよく使われる2種類のファイル形式(フォーマット)について紹介します。

STL形式

STL(エスティーエル)は、3DプリンターやCAD(コンピューター支援設計)で用いられるファイル形式です。3次元形状を小さな三角形(ポリゴン)の集合体で表現しており、メッシュデータとも呼ばれます。

STLは3Dプリンター業界で最も使用されているファイル形式で、「.stl」という拡張子で管理されます。

業界内で最も多く利用されているファイル形式というだけあり、ほぼすべての3DプリンターがSTLファイルからの立体造形に対応しているという高い汎用性があります。

一方、STLファイルはマテリアル(造形物を触った際に凹凸を感じる手触りの情報)の情報を含んでいないため、STLファイルを使った造形物は単色で質感がないといった特徴があります。

さらに、STLファイルは曲面を表現することが苦手です。

STLファイルの3Dモデルでは、曲面になる箇所はモデルを形成する三角形を細かくすることで曲面を表現します。複雑なデザインになるほど形成する三角形が細かくなり数も増えていくため、モデルの表現力は上がりますが、同時にファイルサイズが大きく・重くなるといったデメリットもあります。

まとめると、STLファイルは単色かつ比較的単純な形状のモデリングに優れている反面、色や質感が求められる造形物には不向きな拡張子となります。

OBJ形式

OBJ(オービージェイ)は頂点や法線、ポリゴンなどの情報を含む形状データを記録するファイル形式です。「.obj」という拡張子で管理されます。

3Dプリンターでの造形はもちろん、ゲーム開発やCG制作、建築設計など多岐にわたる分野で広く利用されており、STLファイルと同様に汎用性の高い業界標準のファイル形式となっています。多数の3Dソフトウェアと高い互換性を持っており、ソフト間でのデータ共有がしやすいという特徴もあります。

OBJファイルの最大の特徴は色やマテリアル(質感)の情報を保持することができ、複数の色を用いた3Dモデリングが可能であるという点です。

しかし、実はOBJファイル単体では色やマテリアル(質感)の情報を保持することはできません。

そこで、MTL(Material Template Library)ファイル(.mtl)を併用します。
MTLファイルを同時に使うことで、3Dモデルに色やマテリアルの情報を持たせることが可能になるというわけです。

OBJファイルは色・マテリアルなどの情報が所持できるため、フルカラーの3Dモデリングに適している拡張子です。ただしSTLファイルよりもさらにファイルサイズが大きく・重くなる点には注意が必要です。

フルカラー3Dプリンター向きの拡張子は?

フルカラー3Dプリンターで使用する3Dモデルを作成する際には、造形物の色の数に応じて適切なファイル形式を選ぶことが重要です。

・単色造形の場合 → STL(.stl) を使用

・2色以上の造形の場合 → OBJ(.obj) + MTL(.mtl) を使用

フルカラー3Dプリンターの性能を最大限に活かすには、最適なファイル形式を選択することが重要です!

フルカラー3Dプリンターに関する各種ご相談、承っております

UV硬化インクジェット方式小型フルカラー3Dプリンター「3UJ-2207」

「キカイカタログ」運営元のテクトレージでは、UV硬化インクジェット方式小型フルカラー3Dプリンター「3UJ-2207」を取り扱っております。

「3UJ-2207」は、UV硬化インクジェット方式によって、Japan Colorの89%をカバーした美しい色彩表現を実現しているフルカラー3Dプリンターです。

本体サイズは1,355mm×1,290mm×856mmのコンパクト設計であり、省スペースで設置できる点も本機の大きな魅力です。

当社ショールームでは「3DUJ-2207」の実機をご覧いただくことができますので、フルカラーの3Dプリンタをご検討されている際は、ぜひ弊社にお問い合わせください!

造形受託サービス

「キカイカタログ」運営元のテクトレージでは、3Dプリンターの販売だけでなく受託造形サービスを行っています。

受託造形サービスはデータ作成から造形までの全工程を請け負うサービスと、お客様が作成したデータをお預かりして造形のみを請け負う2パターンがあります。

※データをお持ち込みされる場合は、「.objファイル」のご用意をお願いします。
※費用や納期は造形物のサイズやロット数、支給いただく造形データの修正有無などにより変動します。

「オリジナルのフィギュアを作りたい。」

「データはあるけど設備がないため依頼したい。」

などのご要望、お悩みがありましたらお気軽に当社までご相談ください!

【お問い合わせ先】

株式会社テクトレージ
神奈川県横浜市港北区小机町1521-5 TEL:045-530-5941

お問い合わせフォーム – CONTACT- 株式会社テクトレージ